Move D - Workshop 13

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  • Move DがWorkshopからリリースするなんて、まずそこに間違いが起きる可能性なんてあり得ないのだけど、「じゃあどこがどう良いの?」と訊かれると、やや返答に困る。ただそこには音が鳴っていて、変わっているようで変わっていない、いつものMove Dらしい12インチだ。今回は高い水準のリリースで知られるWorkshopからのリリースとあって、多くの人が普段よりも注意深く聴き込むかもしれない。「ちょっとしたディテールも聞き逃さないように」、ってね。僕も実際そうだった。A面のトラックは非常にスムーズなタッチなんだけれど、トラックが進むごとにグルーヴもディープになっていくかと言うと、実際はそうでもない。ただ、背景に溶けて消えていきそうな感覚が残るだけだ。DJセットには自然に組み込むことはできるけど、そのトラックがどこか別の場所に連れて行ってくれることはないだろう。B1のトラックも同様で、アナログシンセが愉快に渦を巻くように鳴らされてる。これは素晴らしい。ああ、ほんとうに素晴らしいんだ(きっと君にも分かるだろ?)。B2のトラックは妙に耳に残る奇妙さがある。'80年代のトラックのエディットのようにも聴こえるけど、ヴォーカルはah、とかeeyaahとかにカットアップされてすぐにそれとわかる意味具体性はまったくない。Move DがMark Eっぽくなっているみたいで、これもこのEPで最も興味深い部分のひとつだ。