2562 - Fever Addendum

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  • 2562の3rdアルバム『Fever』に収録された殆どのトラックがそうだったように、"Aquatic Family Affair"はその内部に独自のリズム理論を内包しているようだ。そのリズムは冒頭からある種の確信を伴って揺らいでいるのだが、いったんベースラインが入って唸りを上げ始めればどのようにしてそのトラックで踊ればいいか否応無く理解できる。やがてあの猥雑なコードが鳴り始めるのを今か今かと待ち構えるようになるのだ。これこそが2562ことDave Huismansのプロデューサーとしての恐るべき才能で、一見理解し難いリズムの構造に聴こえたとしても、実はリスナーはすべて彼の手の上で転がされており、いつしかその虜にさせられてしまう。ShedはHead Highという覆面名義でB面におけるリミックスを提供しているが、Head High名義はいわばShedのよりレイヴィーな側面を打ち出した名義であり、この"Wasteland"のリミックスにおいてもそのレイヴィーなヴァイブが遺憾なく注ぎ込まれている。それにしてもこのプロダクションにおける奇妙でありながらも素晴らしい空間性は特筆すべきもので、しかも誰の真似でもないオリジナルなものになっている。どこか液体的なテクノトラックといった趣もあり、パーティがビルドアップしていく過程で使えるDJツールのようでもある。