Jackmaster - FabricLive.57

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  • 「パーティーを作るのに、大勢いなくても良い、ファンキーなビートさえあればパーティーなんてすぐに始められるよ。大ファンさ。」 グラスゴー出身のDJ Jackmaster、Inner City所属の彼がもたらす、ある種異様な雰囲気は、テクノ界にダンスフルなパワーを与えている。 Hudson MohawkeやRustieと平行して、彼もまたスコットランド筆頭のミキサー、プロデューサーであり、地獄をも盛り上げてしまうようなDJだ。Hudson MohawkeやRustieが R&BやPrince、はたまたビデオゲームなどのミックスを手がけ、所謂今時のダンスミュージックを作る一方、Jackmasterは、クラシックダンスミュージックと新しいサウンドの融合をテーマにミックスを手がけている。 Hudson MohawkeやRustieとは違い、Jackmasterは、自らの名をDJスキルによって知らしめた。 彼の神髄を知りたいという方は、彼がミックスの冒頭で使った The Fantastic Aleemsの "Release Yourself"、Juan AtkinsによるInnter Cityのリミックス "Big Fun"、そして Gregor Saltoの "Classic Beat Tool"を是非チェックしてもらいたい。それぞれが個性的な曲であるにも関わらず、彼の腕によって全てがパーフェクトにマッチしている。出だしからスピーディーに展開する今回のミックスアルバムは60分の中に合計29曲も収録されている。しかし、ミックスの中身には余分なものはなく、タイトな動きを続けるマシーンという例えがぴったりだ。 ハイライトになる曲も盛りだくさんだ。 SBTRKT & Sinden、そしてMartynとHudson Mohawkeによる素晴らしい新曲は、クラシックであるWookieによるSiaの "Little Man"リミックス、そしてCLSによる "Can You Feel It?"のリミックスと並ぶ。顎が外れてしまう程のラインナップだ。ガレージ、ピアノハウス、マイアミベース、グラム、レイブ、ジャッキングハウス、息をしているのがもったいないと思ってしまうような60分間だ。激しいビートもHudson Mohawkeの "Fuse"で一旦途切れる。Machinedrumによるレイブロケットが始まる前の深呼吸といった感じだ。 昨年のSonarでの彼のプレイを見た方なら、Fabricからの今回のリリースに満足してくれるだろう。エレクトロニックかつワイド、彼の特徴を殺さずに、汗とサウンドをそのまま形にした今回の作品。デトロイト、ディスコサウンドをRadioheadのようなスタイルと組み合わす事ができる人はそういないだろう。