Todd Terje - Ragysh

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  • オリジナル作品を五年以上リリースしていないとする。最後にリリースした作品が、即座にクラシックソングとなり、リミックスの誘いやDJスケジュールで一杯になる。そんな状況で次にすることは?a)栄光の時代に浸り続ける b)期待を重荷に感じて、消えていく c)もう一枚のクラシックをいきなり作り偉業をまた次の五年間に達成する。願わくば、Terje Olsenがその位置に到達するまで、そう長くはかからないであろう。 はかなさを彷彿させる "Ragysh,"からアルバムは始まり、 "Bonysh"のビートへも続いていく CR-78のピコピコという効果音が全面に出て来た瞬間、 Blondieや Phil Collinsなどが作るキザな Tangoのエディットではないことを思い知るだろう。その後には、北欧系シンセサウンドが鳴り響く。自然と曲に合わせて頭を揺らしてしまう、そしてそこから最後にはメロディックなブレイクダウンへと向かう。ハイハットが連れてくる虹色のシャワーが最後には自分に舞落ちる。 "Ragysh"は確かに彼の帰還を確実にしたものだ。 "Snooze 4 Love,"では更に彼のサウンドが進化した事が聴いてとれる。叙事詩的かつ美しい、二年前に出されたOni Ayhunのオオカミのマークがスタンプされたレコードに似た要素がある。アルペジオされたファイアーファイルが形作られた、曲の中心となっているリズムには、夏をテーマにした 未来がノスタルジアへと移行する センチメンタルな要素が含まれている。どういったサウンドなのか聴いてみたいという方には是非目を閉じていただいて、"Version."を思い浮かべていただくのがいいだろう。