13年間に渡って成功を収め続けてきたTaicoclubが、今年度の開催にあたって、変身を遂げて帰ってきた。名前をFFKT(Festival Formerly Known as Taicoclub=かつてTaicoclubと呼ばれたフェスティバル)に改名し、音楽的なアプローチにも変化を見せた。ポップでメインストリーム寄りのアクトのブッキングに傾倒していたのに対し、今年のプログラムはフェスティバル初動期のエレクトロニックなルーツに帰るというオーガナイザーの意向が読み取れた。ラインアップはビッグアクト(Mount Kimbie、Luke Vibert)に加えて、バンド、地元日本で知名度の高いアクト(DJ Nobu、Powder、Chee Shimizu)、才覚あるアジア圏のDJ(Hibiya Line 、MIIIA)、フェスティバルと長年の付き合いが続くアーティスト(Nick the Record)、などなどだ。
FFKTの会場は、キャンプ場と子供の遊び場を足して割ったような「こだまの森」
、長年Taicoclubのホームであった同じ会場だ。三つのステージ:Steel(ここがメインステージ)、それからOngakudo、最後にCabaretだ。二つ目のステージのOngakudoは屋外劇場のようなステージで、バンド形式のアクトはここで演奏した。同時に、格好のチルアウトエリアの役割も果たす。森の奥にひっそりと佇むCabaretは、針葉樹に囲まれ、御伽噺のような雰囲気を醸していた。レトロなバンが停めてあり、これがDJブースの役割を果たしていた。