Live 10で追加された様々な機能の中で最大の注目を集めているのがWavetableだ。WavetableはSerumと比較されることが多いインストゥルメントだが、ユニークな存在として自立できるだけの奥深さを備えている。筆者がこれまで見てきたあらゆるソフトシンセの中で最も魅力的なユーザーインターフェイスのひとつが用意されているWavetableは、エッジの効いたサウンドを無限に生み出すことが可能で、ループ可能なエンベロープ3基、LFO2基、フィルター2基、複数のユニゾンモードと共に膨大な数のウェーブテーブルが組み込まれている。また、モジュレーションセクションのマトリックステーブルのおかげで、異星人の声のようなサウンドから倍音が複雑に絡み合いながら変化するドローンサウンドまでのありとあらゆるサウンドを簡単に作り出せる。ここ10年でAbletonが送り出してきたあらゆるソフトシンセの中で、Wavetableは最も楽しい “最初の5分間” を筆者に提供してくれた。