DJ Stingray - Psyops For Dummies + Purge

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  • 先日、RAのConor McTernanに対し、Lorenzo Senniは自身のレーベルPresto!?を「文化を摂取する」行為だと説明し(英語サイト)、「ものすごく気に入ったアーティストがいると、その人になりたいって気分になるんだ」と語っている。本作は、デトロイトのDJ StingrayがSenniの音楽へ間接的に影響を与えていた可能性を示している。「Psyops For Dummies + Purge」には新曲2曲に加え、2012年にリリースされたUSBスティック作品から4曲が収録されている。Senniの音楽がドラム要素を用いないことで極上の陶酔トリップを実現しているように、今回の収録曲もStingrayの熱狂的なリズムを抑えて、壮大でエモーショナルな光景を描き出している。 誤解しないでほしいのは、リズムが引き続きしっかりと使われている点だ。針で刺すようなハイハット、金属的なスネア、そして、SF的ブリープ音と機械音を使って骨格むき出しのビートをStingrayは幾度となく制作してきたが、一見、勢いがありそうに思える今回のリズムループは展開のない背景音として瞑想的なシンセアレンジを支えている(BPM160の激しいリズムとヒップホップ風の奇妙なハーフビートを行き交う"Fullbodyscan"は例外だ)。麻酔をかけたようなメロディの"Disinformation"や、磨かれた金属のように光るコードの"The Strategy Of Tension"など、非常に心地よい効果をもたらしているトラックもある。暗鬱としたトラックも収録されており、"Hypoalgesia"では重く打ち込まれるリズム上へリードラインが沸々と雲状に膨らんでいき、"Cognitive Load Theory"のパッドは凍り付いた霧のように漂っている。さらに、このふたつを絶妙にかけ合わせた"The Sadist III"のように複雑なトラックも収録されている。
  • Tracklist
      A1 Disinformation A2 Hypoalgesia A3 The Sadist III B1 The Strategy Of Tension B2 Cognitive Load Theory B3 Fullbodyscan
RA