Bjarki - Lefhanded Fuqs

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  • Bjarkiについて語るとなると、Aphex Twinに触れざるをえない。彼は最新アルバム『Б』で"Polygon Pink Toast"といったトラックタイトルやIDMのフックでAphex Twin的な要素を面白く表現している。しかし、その表現が明示的であることは少なく、"Midi 14-AUG2"や"T4it 3"のような例外があるのは稀だった。しかし、『Lefhanded Fuqs』では両者のつながりをはっきりと感じ取ることができる。 そう思わせられるのは音楽よりもまず、"2366262lhkjdgh.aif"のようなデジタルメディア言語で名付けたトラックやスペルミスのタイトルだ。今回、Bjarkiは制作面とアルバムのフロウ面において前衛的で病的な印象だ。浮遊感のある奔放なスタイルから始まる本作では、Bjarkiらしさのある要素がすべて感じられるようになっている。"Fimm Atta Atta Fimm Fimm Tveir Tveir"には、ボーカル、ブレイクビーツ、気まぐれな展開、うねるアシッドサウンドといった要素が詰まっており、レトロな雰囲気がある。その後に続く表題曲が夜の帳を切り裂く朝焼けのようにスタートする。くしゃくしゃになったサウンドが多幸感と共に駆け抜けた後、そのムードがキックによってリセットされ、金属音が積み重なりけたたましい暴動へ変化していく。続いて、眩暈を起こしそうになるダウンテンポ・トラック"+4531704090 2"も同じように活き活きとしたファンキーなブレインダンスへと変化していく。 このような具合で『Lefhanded Fuqs』は変容を続ける。例えば"AFLKILL"ではアシッドサウンドによってピークを迎えると、アンビエントとダウンテンポの要素が最後まで取り込まれる。そうした静寂が特に上手く表現されているのは"Fkakafsnow Tromma 2012"かもしれない。澱みの中でもがいているようなサウンド上に広がる空間ではボーカルの嘆きが浮遊している。終盤になってデチューンをかけたモノローグが始まると、この澱みも声だったということが分かる。奇妙な素材が追加されていなければ、このトラックは『Selected Ambient Works』の模倣に終わっていたかもしれないが、Bjarkiらしくひねりを加えることで特異でありながら馴染みのあるサウンドが実現されている。 Bjarkiは90年代の奔放なテクノを好む特異なプロデューサーであり、彼の作品をリリースするтрипの主宰者も卓越したキュレーターだ。『Lefhanded Fuqs』からは確かにAphex Twinの影響が色濃く感じられるかもしれない。しかし、そうしたインスピレーションを超えたところに広がる本作の音楽世界はBjarki独自のものだと言えるだろう。
  • Tracklist
      01. Fimm Atta Atta Fimm Fimm Tveir Tveir 02. Lefhanded Fuqs 03. +4531704090 2 04. 2366262lhkjdgh.aif 05. AFLKILL 06. EL 07. Ghentleman Render 2 08. Gory Ryebread 09. Thumb 10. Fkakafsnow Tromma 2012 11. Basketball Smile (Bbbbbb Mix) 12. YYKYE