Charles Noel - Sur Le Nid D'oiseau Aussi

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  • ダンスミュージック・シーンには過小評価されている素晴らしいプロデューサーが数多く存在するが、Charles Noelはそのひとりだ。彼のレーベル21/22 Corporationのバックカタログにはエレクトロ、テクノ、ジャングルの素晴らしい変わり種トラックが揃っているが(そして現在、高値が付いているが)、おそらく彼が最も知られているのは、ミニマルなトライバル・テクノを数多く発表するArchetype名義での活動だろう。Noelが本名名義でリリースしたのは2003年の「Le Nid D'oiseau」だけだ。スイスのMoto Musicから発表された同作は彼のバックカタログの多くと同様、法外な値段が付いている。そして今回、単にオリジナル盤のリプレスではなく、当時に制作されたというトラック4曲を収録した「Le Nid D'oiseau Aussi」が発表されることになった。 Noelのベスト作品の多くと同様、今回のBサイドの収録曲も楽曲の構成要素からは思いもよらない奇妙なサウンドが生み出されている。しかし、そこには同時にパーティーをロックする力強さもある。"Les Baisers Myrtilles"ではミックスから飛び出してくるような鋭いブレイクが使われ、おどおどとピッチとフィルターを変化させたコード上に躍動するビートが颯爽と刻まれている。グルーヴや雰囲気の特性を考慮すれば、シンプルな構造変化が極めて効果的に表れていると言えるだろう。"En Manque De Cannelle"は本作で最もテクノらしいトラックだ。"Les Baisers Myrtilles"と同様のコードが使われているが、こちらにはArchetypeのトライバルな作品に通ずる、切り刻まれたボーカルと落ち着きのないドラムサンプルも含まれている。 そうしたトラックよりも若干分かりやすい魅力を携えているのがAサイドだ。もしかしたらAサイドの方がダークなBサイドよりも頻繁にプレイされるかもしれない。鮮明な晴れ晴れしいサンプルとコンゴのフレーズが含まれる"Harmonies De Pomme Et De Beurre D'Amande"はクラシックなハウス路線としてしっかりと位置づけられるが、リズムは太く小刻みに変化するため、ありきたりなトラックには仕上がっていない。同じく熱烈なコードと鋭く叩き付けられる木製ベースを組み合わせた"Le Rythme Couleur Cannelle"も間違いなくフロアを盛り上げるだろう。
  • Tracklist
      A1 Harmonies De Pomme Et De Beurre D'Amande A2 Le Rythme Couleur Cannelle B1 Les Baisers Myrtilles B2 En Manque De Cannelle
RA