Walton - Gunman / Caught In A Trip

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  • マンチェスターのプロデューサーSam Waltonが12インチを引っ提げ老舗ベースミュージックレーベルのTectonicに帰ってきた。収録されたのは2曲。特筆すべきはそのうちの1曲だ。"Caught In A Trip"は、シンプルかつ魅力的な木琴のループによって躍動するUKらしいクラブチューンだ。そのループの背後では、魅惑のグルーヴが乾いたパーカッションとTectonicの名作で聞けるような迫力の重低音によって構築されている。大小のダンスフロアに適した仕上がりで、ブリストルやマンチェスターのような場所で生まれるエキサイティングなハイブリッド・スタイルの典型例だ。 しかし"Caught In A Trip"が新鮮である一方で、"Gunman"は凡庸な印象だ。悪党声のボーカルを乗せた不穏で不気味なハーフステップを今も世界は必要としているのだろうか? トラックの構造には新鮮味がなく、ミックスのしやすい32小節のイントロ部の最後には張り詰めた空間とお約束の低音投下が待ち受ける。このスタイルは、グライムのプロデューサーたちがWardubのサウンドクラッシュを勝ち抜こうとしていた2013年までに死ぬほど繰り返されている。"Gunman"の唯一の救いは切れのある革新的なリズムの打ち込みだ。Waltonがこのリズムにもっとオリジナルのアイデアを乗せていれば、真のインパクトを発揮していたかもしれない。
  • Tracklist
      A Gunman B Caught In A Trip
RA