Bored Young Adults - Shy Dancers On Bungalowdorf Beach

  • Share
  • Blawanによる近年のEPを聴いていると(いずれも英語サイト)、反対関係にある状態が浮かび上がってくる。というのも、彼の音楽が明確にテクノ路線に寄っていると、彼らしさが感じられなくなるのだ。自身のレーベルTERNESCからの作品では、「Fram」(英語サイト)や「Peaches」で披露された轟くサウンドが表現されていたが、Jamie Roberts(Blawan)の表現の幅は、モジュラーシンセを取り入れたり、数年間にわたってPariahとのプロジェクトKarennを展開したりする中で拡張してきた。最近の作品では、リズムがトラックを牽引することは少なくなっており、ボーカルも「His He She & She」以降は使われていない。アーティストとして路線を変更してきたことを考慮したとしても、BlawanがBored Young Adultsとして初めてリリースする今回のシングルは驚きの内容だ。本作は彼の全作品の中で初めて内向的な内容になっている。"Shy Dancers On Bungalowdorf Beach"の幕を開けるのはしめやかなホーンだ。そして、それに続くリズムは、いつもの殺到するような突進ではなく、かしこまった行進を思わせる。 勘違いしてほしくないのは、それでもトラックが強烈なところだ。"Check Up From The Neck Up"で示されているように、Robertsの抑制は相対的だ。錆びつかせたパーカッションと波打つドローンから構築されたこのトラックには、UKダンスミュージックを探求していたRobertsの初期作品を思わせる跳ねる感覚がある。しかし、「Shy Dancers On Bungalowdorf Beach」は新旧を分かりやすく融合させたものであるわけではない。本作で強くフォーカスされているのはテクスチャーであり、ざらついているほど、素晴らしいものになっている。表題曲や"Check Up From The Neck Up"では、それが少し単調に聞こえることもあるが、"But We Need This Bench"では、クリスマスの電飾のようにトラックに巻きつけられた弾けるチャイムや、吹き抜けるシンセパッドに土着的な音色が上手く結びつけられている。このトラックからは、減速というより、リラックスしたプロデューサーの様子がうかがえる。Bored Young Adultsという名義を利用して、Robertsはこれまでとは違う一面を探求しているようだ。
  • Tracklist
      A1 Shy Dancers On Bungalowdorf Beach B1 Check Up From The Neck Up B2 But We Need This Bench
RA