Broken English Club - Myths Of Steel And Concrete

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  • 現在もポストパンクとノーウェーブを制作しているアーティストが発掘され、その周辺で新たなシーンが形成されている。テクノ作品で知られるベテラン勢の中にはそこへ強く惹きつけられている者がいる。Regis、Silent Servant、そして、Shiftedがこの領域に足を踏み入れているが、いずれもOliver Hoの勢いに及ぶほどではない。実に10年にわたってテクノの大海原を航海してきたHoによるプロジェクトRaudiveが澱んだ水域へ進出したのは数年前のこと。その後、彼は新プロジェクトBroken English Clubを立ち上げた。同プロジェクトはCititraxJealous God(英語サイト)といったシーンの重要レーベルから苦悩に満ちたアーティスティックな作品を発表し続けている。そして今回、Hoは自身のレーベルDeath & Leisureを始動した。その第一弾となる7インチは彼の現在形サウンドを鋭く紹介する1枚となっている。 "Myths Of Steel And Concrete"は、Hoが得意とする、崩壊していくテクノハイブリッドだ。朽ちたキックはざらついていて熾烈だ。シンセは不規則に悲鳴を上げながら執拗にまくしたて、様々な方向から鼓膜を突き刺してくる。エコーがすべてを覆いつくしていく様は、放置された工場で建物が崩壊するまで孤独に掘削作業を進める工員を思わせる。Bサイドの"Our History In Bones"ではビートが取り除かれ、Hoの声に焦点が当てられている。彼はここしばらくSuicideスタイルの無感情な語りに磨きをかけてきており、このトラックでは見事な仕上がりを見せている。彼の明らかに退屈した態度により、シンセの痛ましい嘆きがさらに悲壮感を増している。Hoは新レーベルを「訳が分からないほど大げさな感情と熾烈な電子音が出会う」場所だと説明している。第一弾となる本作では新たな要素は提示されていないが、間違いなく彼の説明通りの内容となっている。
  • Tracklist
      A Myths Of Steel And Concrete B Our History In Bones
RA