Soichi Terada / Whodamanny - Tell Me What

  • Share
  • Huneeの監修のもと制作された傑作コンピレーション以降、日本人プロデューサー兼ゲームミュージック・コンポーザーSoichi Teradaによって90年代初頭に発表されたハウスミュージックが話題となっている。TeradaのレーベルFar Eastの作品をまとめた同コンピレーションがきっかけとなり、彼には世界中からライブの依頼が押し寄せ、彼の普遍的で愛らしくキッチュなハウススタイルが新世代のリスナーたちに発見されることになったのだ。"Tell Me What"はそうした時期を経た後に発表される新曲で、新鋭レーベルGravity Graffitiからお目見えとなる。 同じくこのトラックも愛らしくキッチュだ。"Tell Me What"が制作されたのは"Got To Be Real"や"Let's Groove"と同時期だ。くぐもったピアノループ、伸びやかなブロークンビーツ、さらにはC&C Music Factoryスタイルのオーケストラヒットさえも使われているが、最も意識を引き付けるのはシンセギターだ。シンセギターが歪んだヴァンプと灼けつくリックを交互に奏でながら、皮肉っぽくなることなくハードロック的な男らしさを解き放っている。Teradaのアレンジはいつも親しみやすく、彼の顔から消え去ることはないんじゃないかと思わせる、にっこりとした笑顔と同じ嬉しそうな印象を抱かせる。何故だかは分からないが、Aサイドには"Tell Me What"の逆再生バージョンが収録されている。こちらは埋め合わせのギミックのように感じられる。 BサイドにはMystic Jungle TribeのメンバーWhodamannyが同曲の再解釈バージョン2曲を提供している。しかし、実際の仕上がりは根本から再構築したかのようなサウンドだ。"Cheap Disco"バージョンでは深みのあるキーボード演奏とハイエナジーのベースラインがフィーチャーされている。Chicのギターサウンドと猛烈なホーンセクションが挿入されるまでは、中核部分に"Tell Me What"の面影が残っており、心地よいアレンジとなっている。残念なのは"Post Modern Jazz"バージョンだ。Whodamannyは安っぽいシンセ素材を疑似的なジャズ・モチーフとして使っているだけで、しっかりと仕事をしていない印象だ。こちらのバージョンはAサイドの逆再生バージョンと同じくらい受け入れがたい。そのため、『Tell Me What』には素晴らしい2曲が収録されているにもかかわらず、微妙な12インチ作品になってしまっている。
  • Tracklist
      A1 Soichi Terada - Tell Me What A2 Soichi Terada - Tell Me What (Reverse) B1 Whodamanny - Tell Me What (Cheap Disco Reinterpretation) B2 Whodamanny - Tell Me What (Post Modern Jazz Reinterpretation)