Gonno & Nick Höppner - Fantastic Planet

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  • 昨年末、『Zehn』がリリース展開されるまでの間に、Ostgut Tonの音楽はダークで冷徹になっていた。2016年に入ってからの同レーベルはいくぶん光を取り入れているような印象で、まず発表されたのがVirginiaのポップなハウスアルバム『Fierce For The Night』(英語サイト)だった。そしてなんと今回、レーベルへ新たに加わるアーティストとレギュラーアーティストによる素晴らしいコラボレーションが届けられた。 Ostgut Tonの元マネージャーであるNick Höppnerが制作する明るく前向きなハウスとテクノは長年をかけてメロディアスに変化し続けている。一方、日本人プロデューサーSunao Gonnoは溢れんばかりに放たれるサウンドを多用するようになっており、その結果、『Remember The Life Is Beautiful』が誕生し、注目を集めることになった。それと同等に快活なのが「Fantastic Planet」だ。ふたりが3日間にわたってスタジオで制作して生まれた作品である。 「Fantastic Planet」と全く同様、Höppnerの前作『Folk』(英語サイト)はシンセを多用した陽気な作品だった。本作でのふたりはバウンシーなリズムに活き活きとしたあらゆる要素と曲がりくねったサウンドを詰め込んでいる。少し崩したリズムに合わせて跳ねる"Spocking Fivers"では、あちこちにフィンガースナップやオルガンのフレーズ、そして、かわいらしいブリープによるリードが散りばめられ、ドラムだけのトラックから色彩と生命感に溢れる状態になるまで、細やかかつ奇妙に空間が埋められていく。表題曲と"As Above, So Below"においても同じ手法が繰り返されており、Gonnoの作品に通ずるダンスフロア仕様のテクノが構築され、壮大で至福なサウンドへとダイナミックに上昇していく。しかし、Höppnerがタイトに構造を組むことで、楽曲は従来のGonno作品が持つ絶頂感と感傷性に至るのではなく、素材同士の間を水平方向に展開している。それぞれプロデューサーとしての強みを引き立て合いながら、極端な傾向を和らげ、意識は空想的に保ちつつ、地に足を着けるという、素晴らしい制作関係が築かれている。
  • Tracklist
      A1 Spocking Fivers B1 Fantastic Planet B2 As Above, So Below