Onur - Frequent Forrest Turn EP

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  • Onur Özerはいつも最良の位置にいるように見える。彼は00年代中盤にイスタンブールからベルリンに引っ越し、それから数年で、大バコでミニマルをプレイする人気DJになり、Ricardo VillalobosやRareshといったシーンを牽引するDJたちと共演してきた(ときには彼らを凌ぐことさえあった)。現在、脚光から少し距離を置いた彼は、主にベルリンで盛り上がり始めている、徹底したディギングによるブロークンビーツと意識を酩酊させるDJセットを重んじるシーンで、密かに重要な存在になってきている。 最後にソロ作品を発表してから3年、Özerが今回届けてくれたのは、彼が形成に寄与しているシーンで台頭しているプロデューサーたちの作品の中でも特に突出したリリースだ。TreatmentのパートナーであるBinhのレーベルTime Passages(まだ4作品しかリリースされていないが、間違いなくシーン屈指のレーベルだ)から発表された4曲入りのEP「Frequent Forrest Turn」には錯乱性、爽快感、そして、機能性が等しく含まれている。そして漠然とではあるが、本作はエレクトロ作品でもある。 どのトラックを一番に思うかは気分次第で変わるかもしれない。2014年のBinhによるミックスで1曲目に使われていた表題曲はかすんだスタブと着実なビートを伴った、空間的で若干メランコリックなトラックだ。Aサイドの2曲目"Nomadie"はシンセブリープや音の断片によるコラージュと大きく揺れるベースラインにより活気に満ちている。"Oddrun"と"Fairlight"は明快なトラックで小粋なメロディが奏でられ、遊び心のある恍惚と冷ややかな未来主義の間で多義性のある感覚を生み出している。どちらも盛り上がり必至のトラックで、統制された混沌の感覚にタイトで極めて質感豊かなアレンジと強力な機能性を組み合わせている(先日、RAのMark Smithが明らかにしたように(英語サイト)、この特性こそÖzerをDJとして突出した存在にしている要素だ)。 主にÖzerや彼の友人のDJセットによって押し進められているストリップダウン・ダンスミュージックが面白い現在において、「Frequent Forrest Turn」は決定的なリリースだ。このシーンの重要人物の多くが過去のサウンドを発掘している中、Özerはそうした過去の名作に新鮮なひねりを加えている。
  • Tracklist
      A1 Frequent Forrest Turn A2 Nomadie B1 Oddrun B2 Fairlight
RA