Dynamo Dreesen, SVN & A Made Up Sound - Untitled

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  • 始動から5年、ベルリンの謎多きレーベルSUEDは既存に当てはまらない魅力的なサウンドの実験場になってきている。同レーベルには、ダンスミュージックにほとんど関わってこなかった元パンクスSVNの他、設立者のひとりSW.もいる。SW.の活動は非常にノスタルジックで、デトロイト、シカゴ、UKのクラシックサウンドに回帰する傑作シリーズ「Reminder」を展開している。 類は友を呼ぶもので、SUEDと関係の深いレーベルSex TagsやAcidoにも同様のフリーキーな空気が漂っており、SUEDから13枚目となるリリースにはAcidoの設立者であるDynamo Dreesen、SVN、そして、低音解体引受人A Made Up SoundことDave Huismansが参加している。本作は2015年にAcidoから発表した作品の続編であり、3人にとって2枚目となる12インチだ。彼らはデュッセルドルフ時代から続けているスタイルにのっとり、ざっくりとしたダビーでパーカッシブなセッションを繰り広げている。 "A1"は淡々とした奇妙なハウストラックだ。3つの音程による執拗なベースラインがトラックの土台となり、沸々とした状態で面白いアレンジが試されている。同時にAサイドはエコー空間が広がるBサイドへの導入部にもなっている。乾いたハンドドラムによって浮遊感のあるサイケデリアを生み出す"B1"は、DJ Sotofettが密かにFIT Soundに提供した"Tribute To 'Sore Fingers"を彷彿とさせる。約8分に渡ってジャムセッションを繰り広げる同トラックは非常にメロディアスでありながら、シンセやベースラインが一切使われていない。その代わりにシェイカー、タム、ホイッスル、ベルなどがパーカッションとしてリズムを刻みながら、それぞれ微細な音程を有していることで絶妙なメロディも同時に実現している。5分頃になると、RolandのRE-201(上手く使えば方向感覚を麻痺させられるエフェクトだ)のツマミが動かされていることが分かる。 吐き気をもよおすほど強烈なアルペジオから始まる"B2"ではしなやかなハーフステップに忍び寄るベースラインを組み合わせている。ベースラインは最終的に伸びやかなパッドへ移行していき、序盤に漂っていた朝焼けのようなムードを変化させている。"A1"は昨今のエクスペリメンタルなDJ事情に近い内容だが、他のトラックは彼らをClusterやMichael Rotherといったクラウトロック・イノベーターたちの陶酔感を引き継ぐ存在として位置付けている。
  • Tracklist
      A1 Untitled B1 Untitled B2 Untitled