Various - Big And Tall EP

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  • 2013年にバルカン半島中西部の内陸に位置するセルビアにて設立されたSoul Print Recordingsは、まだリリース量は片手で数えられる程ではあるものの、確かな品質と「Printing Soul on a Vinyl」と言うコンセプトを基に評価を集めている。近年復活を果たしたシカゴ・ハウスのベテランであるBrian Harden、デトロイトやシカゴからの影響を公言するLife Recorderらをカタログに並べ、ディープ・ハウスと呼ばれる音楽においては確かなセンスを発揮している。そしてレーベルの4作目では世界各地から5アーティストを集めたコンピレーションとなったが、ここでもレーベルの音楽性は全くぶれる事なく、見事な統一感を持ったこれぞディープ・ハウスな内容となっている。 スイスからはAllstarr Motomusicが"Get Da"を提供しており、夏の浜辺を思わせる瑞々しいシンセの響きや弾けて遠くまで伸びるパーカッション、そして大胆に躍動するオルガンがエモーショナルで、何処までも爽快で青々しい空が広がるようだ。日本から抜擢されたのは近年積極的にリリースを行っているTominori Hosoyaで、風が吹き抜けるような爽快なパーカッション使いとじわじわと積み重ねるシンセのフレーズが心地良く、途中から滴り落ちて入ってくるピアノの旋律が白昼夢のような快眠を誘う"God Bless Us"は、本EPの目玉にも思える程素晴らしい。裏面には更に3アーティストがそれぞれハウスを提供しているが、マルタ共和国のユニットであるOwen Jay & Melchior Sultanaは、ジャジー・ヴァイブス溢れるリズムに軽く浮き上がるようなパッドを加えた浮遊感を伴う"Recollections Of Detroit"を披露。そしてスペインのDiego Gamezは逆に重心が低く落ち着いたビートで安定感を生む"Bon Nuit"を、レーベルと同郷のセルビアのPetkovskiは鈍くうねるベースとしっとりしたキックでより内向的な"Red Sparkles"を聞かせている。世界5カ国5アーティストが参加しながらも、透明感さえ感じさせる美しさやパーカッションが映える軽快なグルーヴが感じられる点において、レーベルの個性で統一されている事も当然評価すべきだ。
  • Tracklist
      A1 Allstarr Motomusic - Get Da A2 Tominori Hosoya - God Bless Us B1 Owen Jay & Melchior Sultana - Recollections Of Detroit B2 Diego Gamez - Bon Nuit B3 Petkovski - Red Sparkles
RA