Graze - Kliph

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  • 現在ベルリンを拠点としているAdam Marshallは、活動当初、力強い低域が全体を支える機能的で硬質なハウストラックをリリースしていた。一方、Christian AndersenはXI名義によるディープなダブステップを展開したプロデューサーだ。共にトロント出身であるにもかかわらず、活動していたシーンの違いのため、ふたりの出会いはAndersenがベルリンに滞在する2012年まで待たなければならなかった。互いに異なるバックグラウンドを持つふたりがGrazeとして生み出すサウンドは、まさに両者がカバーする音楽領域を組み合わせたものとなっており、いずれのトラックにおいてもテクノ、ハウス、ジャングル、ダブステップなどの影響が混然一体となって表れている。 例えば最新作に収録された”Kliph”では、テクノやハウスの典型である4つ打ち/裏打ちハイハットのビートにダブステップ級のウォブリーなアシッドベースが組み合わされており、その後に続く”Hook”ではクリック音によるパーカッションに合わせてPearson Soundを彷彿とさせる非4つ打ちハウスグルーヴがうなりをあげている。いずれもひとつのジャンルにすんなりと収まるトラックではないため、DJセットに少し変化をつけたいときに使用すれば、素晴らしい効果を発揮しそうだ。最後に収められた”ColourEXP”は同作で異彩を放っている。強いていえばハーフステップのトラックだが、ダブステップのそれとは異なり、焦点はビートではなく叙情的なウワものに当てられている。Grazeがライブセットの実施を前提に制作しているという事実を踏まえると、こうしたトラックはセットの終盤にプレイされることを想定しているのだろう。
  • Tracklist
      A1 Kliph B1 Hook B2 ColourEXP