Frak - Sudden Haircut EP

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  • Björn Isgren、Johan Sturesson、そして、Jan Svenssonは熱心なアナログハードウェアユーザーであり、ティーンネイジャーだった80年代後半にFrakとして音楽のリリースを始めた。それから30年が経ったが、彼らのサウンドは、当初にインスピレーションとなったEBM、アシッド、そして、テクノからそれほど変化していない。Dark Entriesから発表された「Sudden Haircut」にはスウェーデン・トリオによる新作、既出作、未発表作が詰め込まれている。彼らが変化していないという事実を祝福しているかのようだ。 収録曲の中で一番新しい"Sudden Haircut"は軽快な808のシーケンスと一進一退のシンセグルーヴによる高圧力トラックだ。躍動するベースフレーズ、パンチの効いたコード、そして、倦怠感を増していく雰囲気から成る空間のもとでリズムが狡猾に変化していく。そのすべてはリスナーをリズムによるトランス状態へと深く引きずり込もうと画策されている。Frak特有の坦々と反復するグルーヴ上に甲高いノイズが舞い上がっては消え去っていく。メロディのニュアンスによってスペーシーなテクスチャーと形容できる深みが生まれている。トラックは終了時に数秒間かけてフェードアウトしていくが、尺がさらに10分間長くてもその強大な力を失うことなく続いていきそうだ。 "Synthfrilla"や"Synthgök"はもともと2010年にレコーディングされ、その2年後にSex Tags Maniaからリリースされたものだ。その快活なエレクトロビートはまったく古びておらず、本作に軽快なムードを与えている。そうして露わになるのは、Frakのラフなトラックからも感じられる遊び心に満ちたエネルギーだ。最後の"First Glimt I Ögat"は2001年に制作された未発表曲だ。ゆっくりとしたグルーヴを紡ぐ同トラックで使われているのは低音の効いたドラムマシンと重心の低いベースだけだ。しかし彼らの手にかかれば、素材が限られていてもトラックは奔放な輝きを放つことができる。
  • Tracklist
      A1 Sudden Haircut A2 Synthfrilla B1 Synthgok B2 First Glimt I Ögat
RA