Sendai / Cassegrain - Konstrukt 2

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  • Sendaiは絶好調のときでも、千鳥足でバーに入ったAutechreが机やいすを倒しているようなサウンドをしている。"Antennaed"はスバリそのイメージを捉えていて、グルーヴはほとんどまとまっておらず、野放図に叩かれるスネアの周りをふらついている。アンティークシンバルによる奇妙に色づけられたメロディスケールは階段を下る酔っ払いのようにカタカタと鳴っている。"Other Etcs"はさらにいびつで、アルペジオと小刻みなノイズの周りを無秩序にのっそりと展開している。2012年の『Geotope』以降、Peter Van HoesenとYves De Meyは互いのいい部分を引き出しあってきた。最近のふたりのコラボレーションでは、もっとまとまりのあるテクノを地味でシリアスなサウンドにしている。しかしそれはパーティー要素の強いテクノを好むフェスティバル客からブーイング(英語サイト)を貰う危険があることを意味している。 一方、「Konstrukt」でCassegrainが担当したAサイドは確実にダンスフロアで何度もプレイされるだろう。"Kor"の中心に据えられたシンセのアタック部分は蝕知できるほど見事に唸りをあげている。まるでフィルターを徐々に開きながら、ハードウェアを直接サウンドシステムにつなげているかのようだ。ワームホールへと深く潜り込む微かな逆再生リバーヴによって、攪拌してゆっくりと浸透していくシンセが中和されている。"Katran"はキックパターンに貫禄があるので、セットの1曲目や緊張感のある繋ぎ役として機能しそうだ。同トラックの最初で使われている、何層にも折り重なったもだえるようなサウンドが非常に面白い。この奇妙なパルス音が土台になって、さらにぶっとんだフィナーレになってほしいと思わずにはいられない。
  • Tracklist
      A1 Cassegrain - Kor A2 Cassegrain - Katran B1 Sendai - Antennaed B2 Sendai - Other Etcs
RA