Fort Romeau / Nick Höppner - Cin Cin 001

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  • 本作はCin Cinの第一弾リリースだ。Mike Greene(aka Fort Romeau)とパーティー/ブッキングエージェンシーであるWarmのAli Tillettが手掛けるレーベル兼12インチシリーズである。親しみ溢れるレーベル名の通り、このシリーズの各作品は「コラボレーションと一体感の精神に基づいて新旧の友人をひとつにまとめていく」予定のようだ。「Cin Cin 001」のサウンドもレーベル名と同じくらい親しみやすい。ディスコの名手として確立されているGreeneの参加を考えれば、それは驚くことではないのだが、だからといってふたりの音楽性がお行儀よくまとまり過ぎることはない。 Greeneが担当したAサイドは"Untitled"からスタートする。ロンドンのプロデューサーである彼のトラックは、いつも通り楽しく泡立つテクスチャーに溢れているが、低く揺れ動くベースラインとしなやかなドラムパートによりエッジも効いている。同トラックと対を成す"Diana"では、ストリングスとパーカッションがしっかりとトラックを展開させており、ほのかな光を放つ、ジャジーとでも言えるような感覚がある。Panorama BarのレジデントNick Höppnerが提供したトラックはどちらもUKガラージの影響を取り入れている。オススメしたいのが"Stay"だ。暖炉脇にいるような温もりのあるベース音に対して弾けていく、まだらに散りばめたボーカルとクリック感のあるドラムパートがクセになる。"Splicing Hues"にも同様の性急感と安堵感があり、多様性を活用したパッケージ作りに一役買っている。
  • Tracklist
      A1 Fort Romeau - Untitled A2 Fort Romeau - Diana B1 Nick Höppner - Splicing Hues B2 Nick Höppner - Stay
RA