Mr. Tophat & Art Alfie - KVK1000

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  • Mr. Tophat & Art AlfieはKarlovakのシングルシリーズ(英語サイト)を「KVK1000」で終了するが、彼らは既に新シリーズ「KRLVK」で3枚のレコードを発表している。その3枚を担当したのがBen Sims、DJ Jes、そして、Radio Slaveだったのは、ふたりが外部のアーティストを自分たちのレーベルに招き始めたからだ。同3作はKarlovakのサウンドに即していたものの(筆者が特にお気に入りにしているのは、DJ Jesの「First Generation」に収められた鮮烈なディスコループだ)、Rudolf NordströmとOscar Wedren(Mr. Tophat & Art Alfie)による非常に効果的で細かく調整された手法から生まれるサウンドとは何故か異なっていた。 ふたりが最も得意としている領域に近いサウンドを収めた「KVK1000」だが、"SDIK Orchestra"では巧みな新技もいくつか披露されている。Aサイドでは、ふたりの強力なドラムサウンドとテッキーなディスコグルーヴが普段よりも希薄な空間の中で轟いている。彼らのトラックに素材が詰め込まれ過ぎているように感じられるときがあるため、"SDIK Orchestra"では沸々としたソウル/ディスコサンプルを取り入れる隙間があることで素晴らしい効果が生まれている。5分くらい経つと、そのサンプルは喜びと共に突如弾けていく。中盤のピークを過ぎて色彩が失われ始めるにつれ、ホラー映画のかすかな叫び声が漏れ聞こえてくる。ダンスフロアによっては、このムードの変化にそれほど気付けないかもしれないが、気付く人にとっては安易な仕掛けに思えるだろう。 くぐもった映画の会話部分と分厚いハンドパーカッションによって一定のテンションに保たれた泡立つハウストラック"Bengan"は、大きな構造と断続的な3音節のボーカルに頼り過ぎている。Aサイドではトラックの音色が波打っている分、"Bengan"の平坦さが強調されてしまった。
  • Tracklist
      A SDIK Orchestra B Bengan
RA