Asusu - Trephine

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  • Livity Soundに所属するアーティストの中で、Asusuの音楽は極めて繊細な線と淡い陰影で描かれているように感じる。そこから生まれるスレンダーなシルエットに新たな側面を加えたのが、セルフレーベルImpasseから2月にリリースされた彼のEP「Serra」だった。その1曲目は2013年の"Velez"(英語サイト)をアップデートしたかのような、鋭く硬質なキラートラックだった。他3曲はニューエイジ作品を機能不全にしたような包括的なアンビエントトラックになっており、流れ落ちる水、飛び交う虫、さえずる鳥といったサウンドが、もつれたようなテープのように崩壊したパターンで鳴らされていた。 「Trephine」においても同様の熱気を伴うサウンドデザインが探求されているが、今回のAsusuの取り組みは少し野心的だ。"Dualism"では、前作と同様のサウンドが折り込まれたり、丸められたりしながら、つんのめる電子音へと変化していき、整備されていない古びたテレビのように輝きを放ち始める。"M39"では、ひび割れたガラス製の殻の中で、スピーカーを通したアナウンスがバウンスしている。Asusuのサウンドは、そのまますり抜けていきそうなほど精錬されているのだが、"M39"における金属的なコーラストーンは聞く者をすり抜けるのではなく静かに魅了してくる。そして、よりAsusuらしさが表れているのが"Trephine"だ。躍動するポリリズミックなテクノとベースを、従来のLivity Sound路線に落とし込んだハイブリッドトラックとなっている。
  • Tracklist
      A1 Trephine B1 Dualism B2 M39
RA