- 「Obelisk」はマンチェスターの2人組Akkordにとって昨年の夏以来となるオリジナル作品だが、そのリリース間隔は彼らにとって日常茶飯事と言える。張り詰めた収録トラック2曲では、ふたりの悪い癖が回避されている。ひとつは余りにも破滅的なムード。もうひとつは味気無さに近い格式ばった上品さだ。今回の10インチシングルではそれに代えて、展開が微細でとても魅力的になっている。特に808が持つ低域の唸りと削り出したスタティックノイズによる習作"Monolith"は、その場からほとんど移動しないのだが、とてもスタイリッシュだ。
大胆さを増した"Megalith"は、昨年の「HTH035」で見せたブレイクビーツとテクノのハイブリッドを引き継いでいる。ふたりはいつも通り非常に冷静な制御を披露しており、実に4分間を費やして、イントロ部における細切れのブレイクビーツをシンコペートしたサウンドへと展開している（その時ですら、細心の注意が施されている）。完全に驚嘆するとまではいかないまでも、Akkordにはいつも通り感心せずにはいられない。
TracklistA Monolith
B Megalith