Savant - Artificial Dance

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  • 昨年の『A Period Of Review (Original Recordings: 1975 - 1983)』に集められた短めのアンビエント作品は、K. Leimerという人物が自分のスタジオに独りで座り、簡素なシンセサイザーとテープループのセットアップが持つ可能性を追及しながら制作したものだ。80年代前半のシアトルにおけるアバンギャルドシーンからアーティストをフィーチャーしているSavantは、表向きにはLeimarのバンドとなっており、前述のコンセプトが引き続き保持されている(Savantは、学者、および、ひとつの物事に特化して知識が豊富な人のこと)。彼はコラボレーション相手を自分の機材であるかのように扱い、数回に分けられたセッションの間、何を演奏するのか、そして、いつ即興を行うのかについて指示を下していた。彼はそうして得たサウンドを切り貼りしてループを作り、新たなレコーディングへと変化させていたのだ。 元々1983年にリリースされていたSavant唯一のアルバムである『The Neo-Realist』は、いくつかの点において時代の産物だと言える(本作にはこのアルバムと一緒にデビュー12インチの音源と未発表トラックがコンパイルされている)。それが最も如実に表れているのが、"Knowledge And Action"に南アフリカのアパルトヘイトに関するニュース番組がサンプリングされている点だ。一方で、"Shadow In Deceit"のようなトラックのサウンドは、当時、23 Skidooといったバンドが実験していたポストパンクとガムランのリズムの融合に類似している。Leimerの他作品と同じく、Brian Enoの影響も大きく表れているが、本作は『Ambient』シリーズというよりも、EnoがDavid Byrneと共に制作していた角張ったコラージュに近い。事実、"The Neo-Realist"では、"The Jezebel Spirit"のスタイルで熱烈な宣教者の声がサンプリングされている。同時にLeimerは、John Cageと氏が関心を抱いていた易経をベースにした偶然性の音楽からも制作のヒントを得ていた。つまり彼は、ミュージシャンの自発的な演奏や、そうした演奏から得られる生の音素材を組み合わせる方法の中に、惹き込まれるようなアクシデントを探し求めていたということだ。皮肉なのは、自分自身を「一番どうでもいいスピリチュアルな人」と称していた男が(英語サイト)、古代哲学をルーツにして音楽を制作していたことだ。 『Artificial Dance』には、『A Period Of Review』やLeimer自身のレーベルPalace Of Lightsからリリースされたアルバムが持つ瞑想的な空気は漂っていない。これは肉体的、そして、精神的な強さを持った音楽だ。民族的ポリリズムや、人差し指奏法によるベースライン、ダブのエコー、そして、マントラのように反復するフレーズが、"Facility"や"Stationary Dance"といったトラックを原始的な儀式のように聞こえさせる。"Heart Of Stillness"のように、さらにダウンテンポ色が強くなっているトラックでさえ幻覚的な鋭さがあり、そうしたトラックをLeimerがトランス状態に導いているかのようだ。実際のところ、血の滲むような作業で自身のスタジオレコーディングを繋ぎ合わせるプロセスに没頭するLeimerは、学者というより作家に近い。唯一無二の景色を求めて形式の概念を押し広げていた男だと言えるだろう。
  • Tracklist
      01. Using Words 02. Indifference 03. The Neo-Realist 04. Shadow In Deceit 05. The Shining Hour 06. Knowledge And Action 07. Heart Of Stillness 08. Stationary Dance 09. Sensible Music 10. Deceit In Passion 11. The Radio 12. Facility 13. Falling At Two Speeds 14. Fault Index
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