Herron - The Night Garden

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  • Factory RecordsからModern Loveまで、マンチェスターは極めて美しい陰鬱さを持つ音楽の発信地として信頼できる場所であり続けてきた。今日、そのシーンの中心にいるのがmeandyou.だ。約7年前にスタートして以来、パーティフレンドリーな作品と並行して若干ゆがんだ酩酊感のあるサウンドを一貫してプッシュしてきたレーベル兼クラブイベントである。Alexander Taber、そして、Andrew Lysterと共にレーベルを運営し、The Soup Kitchenというベニューを所有するHerronによるファーストソロEP「The Night Garden」では、meandyou.の空気を見事に捉えている。 Herron(本名、Sam Lewis)の作品を最後に耳にしたのは今年前半のことだ。傑作「Workshop21」のラストを締めくくったのが彼のトラック"Lost Groove"である。「The Night Garden」も同系統のプロダクションとなっており、澱んだディテールを多分に含む、くすんだ色をしたグルーヴィーなダウンテンポ5曲が提供されている。BPM117の"Dismantling The House"と"Force Of Habit"は、本作の中でも特に遊べるトラックだ。前者では温和な空気と泡立つドラムセクションが使われており、夏らしいハンドパーカッションがトラックの黒ずんだ色彩を中和している。後者では歯切れのよいシンコペートしたキックと唸りを上げる不吉な金属音が使われており、幾分活力が増しているが、みずみずしいアンビエンスは引き続き保たれている。"Feet First"はさらにスローに、そして、孤独感を増している一方で、はつらつとしたクラップとハイハットがトラックを活き活きと保っている。 残りのトラックは若干ではあるが普段とは異なる一面を垣間見せている。軋みを上げるテクスチャーと劣化したリズムによる"Venture"、そして、Rhythm & Soundが得意としていた大海のようなランドスケープを漂う"Minor Hazard"である。DJなら前述の3曲に手を伸ばすだろうが、こちらの2曲はHerronのぬかるんだサウンドが持つ幅広さを証明している。
  • Tracklist
      A1 Dismantling The House A2 Feet First B1 Minor Hazard B2 Force Of Habit B3 Venture
RA