Fatima Yamaha - What's A Girl To Do

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  • 2004年にリリースされ、ちょっとした話題になったインスト・エレクトロトラック"What's A Girl To Do"が、Kanye WestのコラボレーターであるHudson Mohawkeのアルバムで、R&B界で急上昇中のJhene Aikoのボーカルと一緒に聞けることになるだなんて誰が予測できただろうか? しかしそれは、ダンスミュージック界で予想外の大ヒットとなった"What's A Girl To Do"が織り成してきた物語の最新部分に過ぎない。Hudson Mohawkeのアルバム『Lantern』(英語サイト)で"Resistance"と名前を改めたトラックは、もともとグラスゴーで話題となった"What's A Girl To Do"を用いている。Hudson MohawkeやJackmasterら地元のDJたちがこのトラックのカルトヒットの中心的人物だった。しかし今回のリリースにより、グラスゴーに限らず至る所で熱狂的にこのトラックを支持する人たちが出てくることになるだろう。メランコリックなリードラインとジワジワと焦らすムードのおかげで、このトラックは数え切れない数のコンテクストに対応可能だ。何年もプレイされてきたにも関わらず、映画『Lost In Translation』からサンプリングした「I just don't know what I'm s'posed to be... I'm stuck... Does it get easier」のセリフはトラックそのものと同じくらい飾り気がなく痛ましい。 オランダのレーベルDekmantelから再発となる本作は、このトラックがもつ素晴らしさをタイムリーに思い出させてくれる。一緒に収録されているのはYahamaのディスコグラフィーから厳選された3曲だが、どのトラックも"What's A Girls To Do"には及ばない。その中でもベストは"Plum Jelly"だ。ビートレスかつキュートなトラックで、日本のクラシックなRPGでの森のシーンで使われていてもおかしくない。"East Moon Rising"はデトロイトスタイルの柔らかなテクノで、一方の"Between Worlds"はダークなトラックで、煌びやかな女性ボーカルにより最もポップな仕上がりになっている。Fatima YamahaのプロデューサーであるBas Bronは、自国のオランダでマイナーながらチャートヒットを記録しており、あからさまなポップ路線は決して彼のキャラクターから脱している訳ではない。しかし、シンプルで絶え間なく魅力的な"What's A Girl To Do"が彼が手かげた最も素晴らしい作品であることに変わりはない。
  • Tracklist
      A1 What's A Girl To Do A2 Plum Jelly B1 Half Moon Rising B2 Between Worlds
RA