Mix Mup - Beach Hotel De Haan

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  • Mix MupはKassem Mosseと一緒に収録された2012年のミニLPで広く注目を集めて以来、好調が続いている。一風変わったメロディと曲がりくねったリズムによる奇妙で難解なハウスミュージックという彼のスタイルは当時から既に完成されていた。そして、Hinge Fingerに提供した2013年の「After The Job」(英語サイト)では、この手法で深くエキセントリックでありながら、大きなうねりを生み出せることを証明してみせた。ベルギーのエクスペリメンタルレーベルMeakusmaから発表される今回のEPでは、音数を押さえた絶妙な音楽性が披露されている。 1曲目の"Seaweed"は、素晴らしく切り取った深海ファンクで、最高級の変化球トラックだ。パーカッションの断片とべっとりとしたシンセが深淵の澱みの中に生息する奇怪な生物のように漂っている。ぼんやりと輝く中盤のブレイク部分では、ハウストラックを聴いていることを完全に忘れてしまいそうだ。一方、"Wellpappe"はそれほど上手くまとまっておらず、重々しいキックの影で歪んだメロディがほとんど聞こえない状態で鳴らされている。そんな中、リスナーを深海から引き上げるトラック"Plastic Bag"は嬉しい展開だ。安易なスリルを生み出すのではなく、入念にディープな状態を保っていながら、泡立つシンセと小刻みに揺れるチープな金属パーカッションは、Mix Mupの明るい音楽性を感じさせる。"De Malkons"は路上の騒音と気楽なシンセによる何とも言えないトラックだ。まるでからかっているかのように不思議な感覚を残してたまま本作を締めくくっている。
  • Tracklist
      A1 Seaweed A2 Wellpappe B1 Plastic Bag B2 De Balkons
RA