Sascha Dive - The Basic Collective EP Part 4

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  • フランクフルトおよびその周辺でグルーヴ主体のハウスを制作している多くのプロデューサーたちがいる。その中でもSascha Diveは常に突出した存在感を示してきた。最も親しみやすく機能的で、そして個人的に最も興味深いプロデューサーは間違いなく彼だと思う。Diveが制作してきた作品はほぼすべて似通った素材を使用している。それはつまり、太いベースライン、鼓動するドラムサウンド、暖かなパッド、キャッチーなスポークンワードのサンプルだ。彼の成功の鍵となっているのは素材に対する聴覚というよりも、しっかりと磨き抜いた素材を使って効果的なダンスフロアトラックをまとめ上げる盤石の能力だろう。2010年、DiveはRAに対し次のように語っている(英語サイト)。「レコードを出す時に多くの人が考えるのは、ボーカルとかそういう要素をすべて使ったいわゆる素敵なクラブトラックなんだろうけど、時には10分間、ひとつのループだけっていうのもクールだよ。ループが良ければ、すべて良くなるんだ」 この姿勢がDiveの最新ソロ12インチである「Basic Collective EP Part 4」のすべてを物語っている。収録された5つのトラックはそれぞれループ主体だが、そこには彼と似た音楽を作っているプロデューサーのほとんどがなかなか掴みきれないでいる個性とフィーリングがある。パッドを多用した1曲目"Gangster Of Live (All That Funk)"のムードは爽快かつ黙想的だ。一方、騒がしくパーカッシブな"Rapin Black"では、重心の低いキックが力強く打ちつけられる。"Bdown Variation 1005"と"Deeper And Deeper"は、日差しを浴びてゆったりとしたサウンドを感じることができるDiveのトレードマーク的なトラックだ。そして、澱んだループによる"Mystery"が本作を締めくくっている。
  • Tracklist
      A1 Gangster Of Love (All That Funk) A2 Rapin Black A3 Bdown Variation 1005 B1 Deeper And Deeper B2 Mystery
RA