Lucy And Klock - War Lullaby

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  • Funktion-Oneの低音と同等にヘビーなテクノ界の巨人、LucyとBen Klock。ふたりにとって初となるコラボレーションでは特に抑制した音楽が展開されている。4曲収録の「War Lullaby」では、捻じれたテンションとダークでオープンな空間が優先されているが、完全無欠のグルーヴや暴力的なリズムが完全に取り払われている訳ではない。ダビーなトラック"Santeria"はサイファイな4つ打ちを基調として強固な一撃と共に構築されている。"War Lullaby"ではラストにかけて、ミッド/ハイレンジの瞬間的なパーカッションがゆるやかなクライマックスを演出する。一方、「War Lullaby」の残りの収録曲は純粋に空間的で控えめなトラックとなっており、濃厚なテクノで知られるふたりのプロデューサーによるトラックとしては残念に思う人もいるかもしれない。 とは言え、Lucy And Klockはこちらの路線でも全く問題が無いことを証明してみせている。"War Lullaby"では、しっかりと封をした圧力鍋の中でディープでムーディーな空気を見事に掻き乱しており、間違いなくDJセットのシェアを切り拓くだろう。"Bliss"はシンセが描く短編のビートレス風景だが、爽やかなアルペジオはドラムを中心に据えたエディットにぴったりの酩酊感のあるリズムだ。しかし、本作で最も強力なトラック"Santeria"には遠く及ばない。「らしさ」のあるサウンドを駆使した6分半の深海ダンスミュージックだ。Klockお得意の大バコ破壊兵器が、Lusyによるサウンドデザインが張り巡らす迷宮を突き進む。「War Lullaby」を聴いていると、ふたりによる作品のほんの表面にしか過ぎないという気がしてならない。さらに素晴らしい大作に向けてリスナーを惹き込んでいるかのようだ。
  • Tracklist
      A1 Bliss A2 War Lullaby B1 Santeria B2 A Ghost Lovestory