Exos - Q-Box

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  • Exosの音楽はちょうど今聴くと面白い。高く評価されているこのアイスランドのテクノアーティストは先日、過去のカタログから2枚のレアなEPを再発することを発表した。その1枚目にあたるのが「Q-Box」だ。カルトレーベル、Thuleから発表されていた彼の初期作のひとつである。15年以上が過ぎた今、このEPは間違いなくThuleのサウンドを代表する作品だ。効率的に構築された歯切れのいいパーカッションにより、素晴らしく暖かくダビーに仕上げられた楽曲は、ミックスしていて楽しい。変わらぬ魅力の理由のひとつはその万能性だ。収録されたトラック4曲はBPM135から120までテンポに幅があり、ディープなセッションに万全のムードが漂っている。 アップリフティングな雰囲気で始まる"Haus Í Krukku"は、鮮やかなピアノのスタブを用いて軽快にスウィングするBPM135のトラックだ。"Áttfalt"は本作における変わり種トラックだ。ジャングル的なパーカッシブ要素に絶妙にフィルターをかけたシンバルを組み合わせたこのトラックは、Exosの最高傑作のひとつとして数えられるだろう。じわじわと展開していくBサイドでは、馴染みのあるダブテクノサウンドに立ち返っている。"Gegnum Skráargat"では、エコーがかったコードと低音シンセによる囁きによって、ダークなタッチと切迫した空気が加えられている。クラシックなEPの幕を閉じるのは"Spællt"だ。細長い蔦のようなメロディがコズミックな極上の空気へと変わっていく。星が輝いているようなこのトラックは1本吸って踊るのにちょうどいい。
  • Tracklist
      A1 Haus Í Krukku A2 Áttfalt B1 Gegnum Skráargat B2 Spællt
RA