Various - CARGAA 1

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  • リスボンの途絶えることのない肥沃なダンスミュージックシーンにおいて、Príncipeと言えば多くの人々にとってシーンの入り口になっているローカルレーベルだ。そして今回発表される「Cargaa(ホット/ヘビーという意味のスラング)」でWarpが目を付けているのもリスボンである。クドゥーロ、バティーダ、アフロハウス、タハシンニャなど多様なサウンドを内包し活況に沸くリスボンの音楽状況を紹介するためにイギリスのWarpがEP三部作をまとめあげた。その第一弾としてシーンの活き活きとした全体図を提供する「Cargaa」は、Warpの広範なオーディエンスにとって最高のイントロダクションとなるに違いない。 シリーズを始動するにあたって、Warpがリスボンシーンの首謀者であるDJ MarfoxとDJ Nigga Foxに声をかけたのは賢明な選択だったと言えるだろう。前者が提供した"Take Off"は彼の作品の中でも最もタフなナンバーで、かつてのCrazy Couzinzのダブプレートのように忙しなく変化するブロークンビーツだ。Marfoxのベストトラックと同様、奇妙で捻りのあるロジックでアレンジされているが、これがとんでもなく素晴らしい。DJ Nigga Foxの"LUMI"も似たような手法で相当ぶっとんだ作品になっている。もっとメランコリーな要素を駆使しているのがBlacksea Não Mayaによる"Afro"だ。マイナーキーが奏でる荘厳な美しさはHyperdubの作品と言われてもおかしくない。17歳のDJ、Nedwyt Foxも先輩たちに引けを取ることなく奮闘している。彼が提供した"Grandes Invejosos"は荒削りで手作り感のあるトラックだ。そして、同じ路線で展開するDJ LyCOoxの"Good Wine"は本作で最も心を奪われる瞬間だ。Ly-COoxの最大の武器である忙しない勢いをなだめながら、バンジョーとシンセホーンによって涼しげな海辺ののどかな風景を描いている。同世代のプロデューサーたちのゲットー的な荒さとは全く違う印象だ。
  • Tracklist
      A1 DJ Marfox - Take Off A2 DJ Nedwyt Fox - Grandes Invejosos B1 DJ Nigga Fox - LUMI B2 Blacksea Não Maya - Afro B3 DJ Ly-COox - Good Wine
RA