Mix Mup - Skip Intro

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  • Mix MupことLorenz Lindnerと言えば、彼と頻繁にスタジオを共にしているKassem Mosseの名が思いつくが、最近のLindnerはソロとしての存在感を強めている。Hinge Fingerから2013年に発表した傑作EP「After The Job」(英語サイト)に続き、「Skip Intro」もLindnerというアーティストを提示する恰好の機会となっている。 Trilogy Tapesのサウンド分布図において「Skip Intro」は比較的分かりやすい領域に位置しているが、その収録曲は決して単純なクラブトラックであるわけではない。タイトルトラック"Skip (Intro)"では、空いたスペースを埋め尽くすかのごとく強弱様々なドラムが打ち込まれている。ドラムそのものだけでも十分に素晴らしいが、さらにシンプルなシンセの旋律によって眩い威厳が漂うトラックに仕上がっている。"IE"でも注目なのはやはりドラムだ。新しく追加されていくドラムサウンドは、ベースとパテ状のボーカルに絶えず寄り添う存在というより、少しだけ立ち寄った来客者のような趣だ。比較的短めの"Sequoflec"と"Curtain Scene"は内省的でディテール満載のトラックだ。"Curtain Scene"の中盤で揺らめくサックスによって若干の浮遊感が与えられており、単なるダウンビートに終始しないトラックとなっている。そして"Sequoflec"は、一歩間違えれば陰鬱とした響きになっていただろうが、見事にそのサウンドは活況を呈している。
  • Tracklist
      A1 Skip (Intro) A2 Sequoflec B1 IE B2 Curtain Scene
RA