Demdike Stare - Testpressing 007

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  • マンチェスターの2人組Demdike Stareが手掛ける「Testpressing」シリーズは、2013年にスタートして以降、彼らの新たな1ページを刻むプロジェクトとして存在してきた。2曲入りでリリース展開されるこのシリーズでは、毎回、Miles WhittakerとSean Cantyの2人がジャングル/インダストリアル/アンビエントのハイブリッドが生み出すいびつな世界の奥底へと潜り込んでいき、加えて、ストレートなテクノの領域にも、時折、立ち寄ってみせている。そして、7枚目にしてシリーズ最後となる今回の「Testpressing」では、このプロジェクトが始動して以来、最も一体感のある作品が誕生している。 先陣を切るのは"Rathe"。じっとりとした蒸気の中に潜む身の毛もよだつテクノトラックだ。ハーフステップのリズムとアナログ感のあるドラムサンプルを活用しながら、プロデューサーとして各々が持つ不気味なテイストを見事に両立させた見事なアレンジが実現している。しかし、本作で特筆すべきなのは"Patchwork"だろう。Whittakerのコラボレーション・プロジェクトであるMillie & AndreaやHateと同じ系統に位置するこのトラックは、ジャングルというフォーマットを用いて、アクロバティックに転回したり、伸縮したりしながら、ダーティーな下地を作り上げている。WhittakerとCantyが巧みにボーカルを操作しながらテンションを高めていく間は、他の展開が抑制されることで、単なる無調で無愛想なトラックとして終わることなく、優美でメロディアスなタッチが加えられている。「Testpressing 007」によって、1つの傑作シリーズが終わりを迎えるかもしれない。しかし、同時にそれは、Demdike Stareの次章が幕を空ける前のスリリングな一場面でもあるのだ。
  • Tracklist
      A1 Rathe B1 Patchwork