Various - Soliloquy

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  • 今やDystopianは最もその名を知られるテクノレーベルの1つだ。2009年に行ったパーティーからスタートした彼らは着実な足取りで現在の地位に登りつめてきた。レーベルは小規模のチームで鬱蒼としたサウンドとビジュアルの世界観を打ち出してきているわけだが、アーティストを除き彼らのほとんどはその素姓が明かされていない。「妥協のない」という言葉は今となってはダンスミュージックのクリシェとなってしまったが、Dystopianほどこの言葉が当てはまるレーベルはなかなかお目にかかれない。 世界を巡るアーティストにまで成功したRødhådとReconditeを除き、Dystopianの隆盛は決して大きなヒットと共に歩んできた訳ではない。Stroboscopic Artefacts、Token、Prologueなど多くのトップテクノレーベルとは異なり、Dystopianにしか出せないダークなサウンドは、決して大ヒットを狙うような音楽ではないが、信頼のおけるクオリティと一貫性を通じて、レーベルは熱心なフォロワーを獲得している。 『Soliloquy』がDystopian作品の中で最も多様な1枚になったことは驚くことではない。今回のBlade Runnerをテーマにした2枚組リリースでは、Rødhåd、Alex.Do、Reconditeら中心メンバーの作品と並行して、脇を固めるアーティストや新人たちも重要な役割を担っているからだ。レーベルメンバーと旧知の仲であるDon Williamsは本作で最も拡張性があり人々を惹き付けるトラックを提供している。ヒプノティックかつアシッドなアレンジはMike Parker流のテクノに向かっていると言えるが、そのキックはさらに激しい。Gotzkowskyの"Shoulder Of Orion"とRon Albrechtの"Time To Die"はより空間的なトラックである他、Reconditeの力強い1曲目と同様、Vrilの"Tannhäuser Gate"も大きな空間の中に浸透している。他のトラックでは時折、意識を吹き飛ばされるようなサウンドが展開している中で、Vrilのこのトラックは嬉しい変化球だ。 Dystopian独自のサウンド上に微かなヴァリエーションを生み出すことで、一貫した新鮮さが彼らの音楽には保たれている。2013年、RødhådはRAに対し、彼や彼の友達は「メランコリックな連中」だと語っている。そして今回彼らが届けるテクノもまた同じくメランコリックだが、さらに機能的かつ効率的でありながら洗練されてさえいる。こうした要素を併せ持つサウンドは、ホンモノのDJが手にした時に、強力な効果を発揮するだろう。
  • Tracklist
      A1 Recondite - People Wouldn't Believe A2 Don Williams - Attack Ships On Fire B1 Gotzkowsky - Shoulder Of Orion B2 Distant Echoes - Glitter In The Dark C1 Vril - Tannhauser Gate C2 Alex.Do - Lost In Time D1 Rødhåd - Like Tears In The Rain D2 Ron Albrecht - Time To Die