Ñaka Ñaka - Mundo Harsh

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  • Ñaka ÑakaのJuan PestañasはOpal Tapesが昨年見せた素晴らしい動向の中でもハイライトとなる存在だ。メキシコ人プロデューサーである彼のEPは暖かな90年代スタイルで包み込んだ衝撃的なまでに多様性のある音楽的影響を示していた。サブ・レーベルにあたるBlack Opalの目的がOpal Tapesのエッセンスをクラブ仕様のヴァイナル盤に蒸留することだとするならば、それはまさに彼のためにやっていると言ってもいいだろう。「Mundo Harsh」にはいつも通り刺激的なÑaka Ñakaによるトラックをテクノのフォーマットに落とし込んだ6曲が収められている。 「Mundy Harsh」はどんよりとした地下室にずっと放置された段ボールのように湿気っぽく水気を多く含んでいる。 "Vibrocalyx"でのひだ状に響き渡るメロディや、"Jaaz"でのサンドペーパーのようにラフにさえずるテクスチャーと同様、最も顕著なサウンドほどインパクト時に歪んだ形状になる傾向にあるようだ。そして、サウンドが歪んでいない時でさえ不明瞭さと距離感がそこにはあり、『Mundo Harsh』に沈んだ空気をもたらしている。この点が最も文字通りに表れているのは"sec 2"、6分間に渡って漂いながら焦点に出入りを繰り返すざらついたシンセ・リフによるトラックだ。そして"Dardos"においても、やる気無くただ鳴っているかのように衝突音が静止した状態で留められている。 こうしたメランコリーなムードによって本作には柔らかさと親しみやすさが保たれており、より主張力を奮いながら展開する"Def Def"や"Dioges"でさえ心地よく感じられる。"Def Def"は特にスマートに仕上がっており、各キック・ドラムが埃の雲の中から飛び出す中、その他のリズム要素が見事に美しく降り注いで行く。延々と霧に覆われている「Mundo Harsh」を前にすると、その40分間を立ち尽くすことになるかもしれない。しかしおそらくそれは仕組まれたものだ。いずれにせよ、夢を目ているかのような方法でテクノを捉えている本作はダンス・フロアを主体とするBlack Opalにとって強力な未来を示している。
  • Tracklist
      A1 Dardos A2 Dioges A3 Def Def B1 Jaaz B2 Sec2 B3 Vibrocalyx
RA