The People In Fog - Deep EP

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  • 2014年の初頭、アムステルダムを拠点とするSound of Vastの運営が開始され、そのレーベル第一弾作品にはルーマニアの新鋭であるEgal 3がフィーチャーされ注目を集めた。第二弾にはイタリアからNiroが起用されて、そこでもディープな音楽性がレーベルの方向性を指し示していたが、この第三弾のThe People In Fogによるその名も「Deep EP」によってそれは決定打となるだろう。 The People In FogはDJ Sodeyamaの別名義であり、特にハウスグルーヴを基調とした名義で本作においてもそれが徹底されている。また、どの曲名にもDeepという単語が挿入されている事からも分かる通り、ハードな質感や勢いよりも深みのある空間を活かした楽曲が本作の特徴だろう。鋭いパーカッションと滑らかな4つ打ちが軽快に刻む"Deep Sea Dog"は正にハウスを体感させるが、常にフィールドレコーディング風な音響が鳴る事で深い空間演出を行い、全体が揺らぐ作用を誘発する。不気味なガヤ声サンプルから始まる"Man Must Deep Explore"は揺れる上モノが覚醒感を煽りつつ、やはり環境音が散りばめられているようで、揺らぎと伴なって深みのある空間を感じさせる曲だ。どちらもキレのある繊細なリズムや間を感じさせる音の配置が揺らぎを生み出し、それが躍動のある深い空間を創出するのだろう。 さて、Sound of Vastはデジタルとヴァイナルにそれぞれ独占的に曲を収録するポリシーがあるそうで、ヴァイナルには80年代から活躍するUSハウスのElbee Badによるリミックスが特別に収録されている。"Deep Woods (Elbee Bad Remix)"はオリジナルよりも空間処理が抑えられ、その分だけ民族的なパーカッションが不気味さを誘う無骨なハウスだが、ミニマルかつタイトな作風は現在のダンス・ミュージックとも自然に馴染む。ヴァイナル限定なのがもったいない位だが、購買意欲を刺激するには十分な一曲だ。
  • Tracklist
      A1 Deep Sea Dog A2 Man Must Deep Explore B1 Deep Woods B2 Deep Woods (Elbee Bad Remix)