- パリのConcreteはヨーロッパのベスト・パーティーの1つとなった。それはスタリッシュさとガツンとくる衝撃を組み合わせた音楽性のおかげだと部分的には言えるだろう。このレーベル部門のリリースの多くも同様の言葉で表現することが出来る。フロアに焦点をあてた磨き抜かれたクオリティがほぼ全てのリリースに共通しているからだ。Concreteのメンバーでありパリを地元とするBen Vedrenが手掛けた最新作「D3」には、悲痛なハウス・トラック3曲が提供されている。
展開を抑制したビートによる"Space Lab"によって「D3」はスタートする。1曲通してハスキーなボーカルの断片がループしており、時折鳴らされるクラップ、静かなホワイト・ノイズ、そして淡々と構築されていく空間的なサンプル音によるコラージュが付随している。"Comas Sola"はより明快でダビーかつ躍動感があり、押さえつけるものは何もないハウス・ツールと言ったところだ。9分間に渡る壮大なタイトル・トラック"D3"にはフランス感（2011年にパリの同朋ChloéによるArnaud Rebotininのリミックスも同じ文脈にある）があり、歪んだコードとスナップの効いたハット、そしてがっしりとしたスネアがまとめ上げられている。こうした素材が組み合わされることで、目を閉じてダンスするような瞬間が確実に生まれるだろう。
TracklistA1 Space Lab
A2 Comas Sola
B1 D3