Ricardo Villalobos - Voodog

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  • 今回Ricardo VillalobosがPressure Traxにお目見えとなった。このレーベルと彼の音楽観は完璧に調和しているようだ。このレーベルはVillaloboの輝かしいキャリアの中でもより瞬間的な分かりやすさを持った作品(それでもなお心地よく細かいニュアンスが表現されているが)を提示するプラットフォームとなっている。 ぱっと聞いただけでは"Voodog"の2つのバージョンに大きな違いは無さそうに思える。"Part 1"はより明快で活性が高いトラックで、"Part 2"はより奇妙な雰囲気でジャジーなシロフォンとシンセ・サウンドが加えられている。両トラックのリズムには同様の複雑さがあり、狂ったボーカルを重ねているところも共通している。その重なり具合はSoundCloudでブラウザーのタブをいくつも開いてしまったのかと勘違いしてもおかしくないほどだ。 Villalobosは神経質かつミニマルな細かなサウンドを配置し、所々で大量の激しいハイハットへと歪めながら変化させていたり、あからさまなディスコ・サンプル(Royal Houseによる極寒ハウス・クラシック"Can You Party"でも用いられているFirst Choiceの"Let No Man Out Asunder"だ)を一見、ランダムにカットイン・カットアウトしたりしている。口ずさまれるボーカル・ループが延々と繰り返されているが、中盤で用いられている女性の声にも同様のことが言える。その声は引き延ばされ、切り刻まれて、ほぼ解読不可能だ。さらに歪んだノイズと大差の無い男性の声が付け加えられている。めちゃくちゃに聞こえる人もいるだろう。しかし、こうした異なる要素こそ本作に仕掛けられたキケンな罠なのだ。聴覚に多くの情報を流し込むことで、Villalobosはリスナーを昇天するほど音楽にのめり込ませている。
  • Tracklist
      A1 Voodog Pt. 1 B1 Voodog Pt. 2