Reel By Real - Karma EP

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  • Reel By RealことMartin Bondsが1991年にリリースした「Surkit」を、2010年に再度テクノシーンへと引っ張りだしたのはドイツのa.r.t.lessだった。このレーベルはディープ・ハウスで注目を集めるMojubaが、よりシンプルさを求めたテクノをリリースする為のサブレーベルとして運営されているが、取り分けデトロイト・テクノのエモーショナルな音楽性を色濃く継いでいる。ならばこそa.r.t.lessがReel By Realの古き良き作品を、復刻させたのも自然な成り行きだったのだろう。 そして2014年、a.r.t.lessは更にReel By Realを後押しすべく新作である「Karma EP」をリリースした。本人による新曲は"Karma"と"Mode 7"の2曲のみ、そしてどちらも目立って斬新さをアピールするようなテクノではない。だがしかし、ざらつきを感じさせながらもコズミック感溢れるシンセのシーケンスや透き通るようなパッドの浮遊感が宇宙旅行へ誘う"Karma"、エレクトロなビートに物哀しいメロディーや女性ボーカルを乗せてぐっと湿った感情に染めた"Mode 7"、そのどちらもが初期デトロイト・テクノの原始的な胎動を現在へと継承しているようだ。またレーベルオーナーであるDon Williamsがリミックスを提供しているのも、見逃してはならない。展開を抑えてシンプルなシーケンスと硬質なミニマルのビート感を打ち出した"Karma (Don Williams' Random Octivation Remix)"、動きの多いシンセのメロディーと剥き出し感があるラフなリズムを組み合わせてハードに疾走する"Karma (Don Williams' Night Transmission Remix)"、どちらも現在のテクノシーンでも違和感なく馴染むアップデートが施されている。おおよそ20年もの間リリースがなかったReel By Realがこうして掘り起こされる事は、新たなリスナーを獲得する機会があるという点からも重要な意味があり、また古くからのファンにも復活を遂げた点で喜ばしい事だろう。
  • Tracklist
      A1 Karma A2 Mode 7 B1 Karma (Don Williams' Random Octivation Remix) B2 Karma (Don Williams' Night Transmission Remix)
RA