Michal Wolski - Blank Slate 008

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  • この1年と6ヶ月、Blank Slateはダビーでドラッギー、そして一貫して興味深いテクノをリリースする存在として、徐々に評価を築き上げてきた。ポーランドのMichal Wolskiはそれほど知られたプロデューサーではないが、このEPはレーベルのディスコグラフィーに加わるだけの価値を持っている。Wolskiは既に地元で話題となっている存在のようで、DJ、ジャーナリスト、ラジオのホスト、そしてテクノ・レーベルMinicromusic Recのボスとして活動している。本作並のクオリティを持った作品が発表されていけば、彼が広く知られることになるのもそう遠くないはずだ。 "Who Am I"は、不協に響く機械音を土台としているが、これが若干ながら耳につく。しかし、中盤に差し掛かるまでには、この機械音は柔らかなキックとハットを軸に自然に付随して行っているような印象に上手く変わっている。"Measurement"では、A1の天邪鬼的な特徴はそのままに、嵐のような尖ったベースを和らげるスペーシーなサウンドを用いながら、陶酔性のある本作の後半に向かっていく。小刻みに鳴らされるチャイムと鬱蒼としたベースによる"Bells"は、半睡状態のようなそわそわとしたムードを生み出し、ダークなドラマ性を伴ったラスト・トラック"Black Swan"は、本作で最も印象的だ。ゆったりと長閑な10分間のサイコドラマでは、巨大に浮かび上がってくるコードと、不規則なパーカッションがフィーチャーされ、Wolski、そして特にBlack Slateを注目すべき存在として、さらに引き立てている。
  • Tracklist
      A1 Who Am I A2 Measurement B1 Bells B2 Black Swan
RA