Osborne - Step Off

  • Share
  • Ann Arborの定番アーティストTodd Osborne。形式を変容させる彼の能力が、見事に提示されている。ケンタッキーのレーベルAcoustic Divisionのために作られた今回の3曲入りEPでは、いびつなハウスにおける様々なスタイルを独自の落ち着きをもって網羅している。「Step Off」では、端的かつ簡潔な印象と、か細い印象、この2つを行き来している。まずはタイトル・トラック"Step Off"だ。はっきりとフロア仕様にギア・チェンジしたトラックで、躍動するキックが雰囲気を作り上げ、弾むピアノ、Legowelt風のアナログ・シンセによるメロディ、そして軍隊召集のようなボーカルによって、熱狂的にファンキーなブレンドが仕上げられる。 "House 117"は前述の2つの印象の中間に位置し、悲しげなベースとドラムを中和する陽気なメロディとエフェクトが折り重なることによる活性的な効果を生み出している。一方で、9分間に及ぶ"November"は、水中でのジャズ、といった印象だ。延々としたアンビエントのようなトラックで、軽快なパーカッションが空間的なベースとメロディに組み合わされている。この雲を眺めているようなトラックによって、ピーク・タイムのモードからスタートした本作の幕が閉じられている。
  • Tracklist
      A1 Step Off B1 House 117
RA