Lowtec - Workshop 20

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  • Workshopは、ダンス・フロアを盛り上げる作品に加え(Kassem Mosseの『Workshop 19』はキラー・トラック満載だった)よりゆっくりとした入念な作品も制作している。レーベル主宰のLowtecによる最新作は、その後者にあたる。とは言え、収録された3曲は全て、独自の方法でフロアを揺さぶるものだ。Aサイドのトラックを聞けば(少なくともその前半部を聞けば)このトラックがクラブを盛り上げているところを想像するのは、それほど難しくないだろう。ここまでやるかというほどヘビーな裏打ちサウンドがリードしていくこのトラックは、同時に併せ持つ酩酊感に打ち勝っており、「Moving! We Can!」と暗号のように鼓舞してくるボーカル・サンプルによって、偉業を讃えているかのようでさえある。そして、中盤では、完全にギア・チェンジし、ヒップホップのテンポへと切り替え、おぼろげな声と神経質なパッドによってミキシングを満たしている。跳ねた感覚は確かにあるのだが、冒険的なハウス狂でない限り、ホーム・リスニングとして聞いた方がいいだろう。 Bサイドにも同様のことが言える。"B1"では、2倍速のリズムによってテンションを上げているが、用いられているメロディは頑ななまでにリラックスしていてファンキーだ。どちらの雰囲気が勝るかを見極めるのは難しいが、まるで音楽版ルビンの壷のようなもので、結局のところ、聞く人によって意見が分かれるだろう。極端に遅い展開と、音程を外したメロディ、そして吐き気を催しそうになるディレイを伴った"B2"の印象は、もっとハッキリとしている。この音楽をスリリングだと呼ぶのは、それほど的を得ているとは思えないが、「Workshop 20」をプレイしている間に、自分の脈拍をチェックしているようなことがあれば、それは確実に退屈しているからではないだろう。
  • Tracklist
      A1 Untitled B1 Untitled B2 Untitled
RA