Acronym - Nautilus

  • Share
  • Abdulla RashimのレーベルNorthern ElectronicsからAcronymが2枚目のリリースとなる「Nautilus」を発表。直接的にはこの作品は大海原との関連性を持っているものだが、地中深くにある洞窟や日本の深い森とも容易にリンクすることが出来る。スウェーデンのプロデューサーたちが得意とする「精巧な躍動」を持った音楽に、本作をしっかりと落とし込み、主張力のある強いインパクトを持った展開を用いて、ひんやりとしたレイヤーが折り重なるアレンジを生み出している。ビルドアップしていくサウンドや周波数のスペクトラムを詰め込んだトラックが好きな人にとっては、このEPでは禅のような感覚に陥る瞬間が多く見つかる一枚だろう。 タイトル・トラック"Nautilus"は錯覚を見ているかのようだ。死点に注視したときだけ、視界の端でうごめくものががハッキリとした形を持つようになる。底無しに深い洞窟がトラックの背後に広がっていき、隕石のようなロー・エンドの後には堅固な飛行機雲が発生している。"Set Sail"においてもAcronymは同様の手法を用いており、どこに意識を向けるかによって、聞こえてくるものが異ってくる。タム、ハット、細かな音を立てるフィルターのミクスチャーは、素材単体での意味を失っているが、ミスクスチャーそのものによって、巨大でありながらダイナミックなサウンドの塊へと変容していく。硬質な風が吹き付ける低気圧が渦巻く"Surfacing"にてEPが終了するまでに、深層意識は体の端々にまで巡っていることだろう。Acronymがミックスダウンから捻り出す細かなアレンジは、ヘッドフォンで聞くと心地いいものであるし、大きなシステムで聞けば、威圧的なまでに美しい力となるだろう。
  • Tracklist
      A1 Nautilus A2 Set Sail A3 Nemo B1 Hunt B2 Surfacing