Robin Ordell - JC EP

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  • イギリスを拠点に活動するフランス人Robin Ordellは、ロンドンの定番プロモーターHalf Bakedとして日曜日のクラブ・シーンを5年近く代表している存在だ。Ordellは多作なプロデューサーであるわけではなく、DJ活動に集中することを好んでいるが、3年前に彼が制作した"The Show"(英語サイト)はちょっとした話題になった。このトラックはRBMAレクチャーでのMoodymannの会話をシンプルかつ巧みにサンプリングした少しバウンシーなディープ・ハウスだ。 しかし、彼の最新作となるEPでは、このトラックと同じレベルに及ばず、もがいているようだ。Ordellは流動的にうねるグルーヴを好むところがあるが、そのグルーヴを駆使していくにあたって若干、熱を上げ過ぎている。端的にエッセンスをまとめるというよりも、DJのために余分に延長しているかのように感じるほどトラックは長く感じてしまう。 とは言え、Ordellはベースラインをトラックに加えるのが上手い。それは"Five Majors"での低く震える弾力性からも明らかだ。"Nobody Loves Bishopsgate"は"Five Majors"とそれほど大差があるわけではなく、歯切れのいいパーカッションとみずみずしいベースラインのうねりは的確だが、8分経つ頃には、やり過ぎ感が生まれている。Veraのリミックスではパーカッションを取り払い、不気味な高音と、ハイハットによるアレンジ、そして奇妙な響きを立てるサウンドを代わりに用いることで、面白いトラックへと変化させており、一聴して即座に引き込まれる。"Kosma"は、UKガラージの作り方をなぞったかのようなトラックで、まるで子供が我慢出来ずに砂糖を食べ過ぎるかのように、スネアを多用しているが、押し込んでくるベースラインと切り取られたボーカル・サンプルによって、今回、収録されたOrdellのトラックの中で最もエンターテイメント性のあるトラックに仕上がっている。
  • Tracklist
      A1 Five Majors A2 Nobody Loves Bishopgate B1 Nobody Loves Bishopgate (Vera Remix) B2 Kosma
RA