Campbell Irvine - Removal Of The Six Armed Goddess

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  • Infrastructureを主宰する1人であるFunctionことDave Sumnerが、Campbell Irvineを「アウトサイダー」な存在であると語ったのは、デビュー作である本作のリリースから何ヶ月も前のことだ。おそらく、この発言は「Removal Of The Six Armed Goddess」に悪影響を及ぼしている。本作は新人プロデューサーによる無邪気な作品であるわけではなく、むしろ、濃密に重ね合わされたテクノによる新鮮な感覚を持つものだ。収録された3つのトラックでは、質感と空間が強調されているが、とてつもないドライブ感と脅威を感じることが出来る。 "Thread Laid Bare On The Ground"を聞けば、数秒でIrvineの音楽観がどういうものなのかが分かる。中東をどことなく感じさせるドラムと亡霊のような声が意識を掴み、最前線に立ち上がってきては消えていく。同時に朽ち果てたドローン・サウンドとノイズの粒子は、毒々しいムードを形成している。"Control Through Prohibition Or Supply"では、アラブとの関連性をさらにダイレクトに取り入れようとしてるが、MuslimgauzeやVatican Shadowのような政治的な見解を感じさせることなく処理されている。タイトル・トラック"Removal Of The Six Armed Goddess"は突出の出来だ。べっとりとしていながら作りこまれた豊かな色彩が、ピンと張り詰めたハンド・ドラムの頭上に浮かび上がってくる。シンコペートするドラムは控えめながらも華麗に響くグルーヴを提供している。一般的なテクノDJにとっては、このEPはもしかしたら回りくどく映るかもしれないが、細部まで聞き取る耳を持つ人にとっては、気に入る点がたくさん見つかるだろう。
  • Tracklist
      A1 Thread Laid Bare On The Ground B1 Control Through Prohibition Or Supply B2 Removal Of The Six Armed Goddess
RA