K. Leimer - A Period Of Review (Original Recordings: 1975 - 1983)

  • Share
  • ごく稀に、再発盤やコンピレーションが、本当に価値のあるアーティストに光をあてることがある。『A Period Of Review』の背後にいるのがRVNG Intl.であるということは、K. Leimerがそうしたアーティストであるということを物語っている。Leimerは幅広いスタイルを凝縮し、短く分かりやすい作品を生み出している。ほぼどの作品も3分程度の長さだ。1975年から1983年の間に制作された収録作品は、Brian Eno、Steve Reichといったポップス、アバンギャルド、現代音楽をつなぐアーティストたちを思い起こさせる。 『A Period Of Review』を特徴付けているのは、そのムードだ。そして本作には、Leimerの最もパーソナルで現実逃避的な様子が収められている。"From One To Ten"、"All Sad Days"、そして不思議なトラック"Lonely Boy"といったトラックは、OhamaやFelix Kubinと同じ文脈にあるベッドルーム・ミニマル・シンセサイザー・ミュージックだ。どのトラックも他の収録作品に比べると、奇妙で、手作り感があり、メタリックな印象だ。対照的に、"Entre'acte"や"Archie's Dub"のような作品では、シンセサイザーが創り上げる第四世界の風景が広がっている。よく知られているLeimerの作品で、ジャマイカの夢のようなドキュメンタリー『Land Of Look Behind』にあてたサウンドトラックがあるが、その音楽を特徴付けている大きく間隔を取ったアレンジメントを、ここでも聞くことが出来る。 Leimerの作品は時代を先取っていた、というのは言いすぎになるかもしれない。しかし、実際、ここに収録された作品のほとんどは、彼が現在制作している作品ともしっかりとフィットするものだ。Leimerのアプローチはシャイではあるがナイーヴではなく、しばしば有機的と人工的なものを思い込みというよりも遊び心と共に融合している。悲哀の詩や悲しい音楽に影響を受けてきたと彼は語っているが(英語サイト)神妙な印象の"Malaise"、"Ceylon"、"Porcelain"を聞けばこの点は明らかだ。全ての要素に孤独な美が詰まっており、深いため息と一緒に制作されたかのような印象がある。Leimerの音楽は完全に楽観的なものとは言えないかもしれないが、うっすらと霧がたち込める静かな場所で流れる穏やかかつ平和で整然とした音楽であることは確かだろう。
  • Tracklist
      01. Ceylon 02. My Timid Desires 03. From A Common Center 04. Explanation Of Terms 05. From One To Ten 06. Entr'acte 07. Bump In The Night 08. (Aka Accident) 09. Facing East 10. At Daybreak 11. A Spiritual Life 12. Honey To Ashes 13. Stop It! 14. Two Voices 15. Lonely Boy 16. Practical Demonstration 17. Commercial 18. Gisella 19. Archie's Dub 20. Ikumi 21. Reassurances 22. Assemble And Diffuse 23. Eno's Aviary 24. Almost Chinese 25. Agfa / Lupa 26. The Phonic Chasm (Excerpt) feat. Dawn Seago 27. Acquiescence 28. Malaise 29. All Sad Days 30. Porcelain feat. Nancy Estle