Tessela - Rough 2

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  • 「Rough 2」というタイトルは仮で付けたような響きがある。制作中に名前を付けて、そのまま名前を変更されなかったような感じだ。Tesselaの最新EPは、そうしたイメージにぴったりとハマっている。うなぎ上りの評価を獲得しているにも関わらず、TesselaことEd Russellの音楽はこれまで以上にロウで自発的になっている。幸いなことに、そのアプローチは彼と相性がいいようだ。カタカタと刻まれるスネアを伴ったタイトル・トラック"Rough 2"は、Russellが最近リミックスしたPercの"Take Your Body Off"と対を成すトラックであるかのようだ。また以前R&Sから発表したシングル「Nancy's Pantry」の後半と同じように、ハードコアとゆるくスイングするテクノの融合はShedを想起させる(もっともRussellは今までに増して自分自身のスタイルを築いているところではあるが。) 他のトラックはべっとりとしたもので覆われているかのようで、Russellのスタジオのどこかに壊れたミキサーかテープ・デッキが潜んでいるのでは、という気持ちにさせられる。しかし、こうしたトラックの明瞭さやパンチが欠けていても、アイデアの力でそれを補っている。"Butchwax"は馬鹿でかいエレクトロ・トラックとなっており、ほぼ全編に渡って轟音を上げ続け、2拍ごとにスネアで鼓膜を周りを揺らしている。オールドスクールのエレクトロ・サンプルをバラバラに切り刻んだようなサウンドがトラックの展開を作っている。彼のジャングル・ハイブリッド作品と同様、一度フォーマットを分解し、その破片をつなぎ合わせているかのようだ。"C'mon, Let's Slow Dance"は一方で静と動の衝撃を狙ったトラックだ。ぶつ切りにされたシンセ・リフはMumdance & Pinchの"Turbo Mitzi"を彷彿とさせ、後半に入ってくる不穏に耳を掻きむしるコードはワイルドなトラックを作っているときのA Made Up Soundを思わせる。おそらくクラブで使用するにはかけ離れた内容だが、オフィスの椅子でくつろいで聞くにはおかしすぎるこのトラックを嬉しく迎えたいと思う。
  • Tracklist
      A1 Rough 2 B1 Butchwax B2 C'mon Lets Slow Dance
RA