Efdemin - Decay Versions Pt I

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  • Efdeminのサード・アルバム『Decay』は、RAのAndrew Ryceが綴ったように、年季の入った革の椅子に腰掛けているかのようなサウンドだった。このアルバムはダンス・フロアでも機能するものだが、耳鳴りがするほど大音量でかけるものというよりも、クラブ後のくつろぎの一時に適している印象があった。そんな『Decay』のリミックス・シリーズ第1弾は、クラブ・トラックからホーム・リスニングの雰囲気までカバーする内容だ。Livity SoundのAsusuは、PevやKowtonと共に展開している大音量の作品から想像されるものというよりも、"Some Kind Of Up & Down Yes"の眠たげな世界観を引き続き維持している。ローエンドは優しく撫でるかのようであり、同時にスネアがその上をカラカラと転がっており、クラブ仕様なのは明らかだが、ハマっているオーディエンスに対して適したトラックだろう。 Stefan Linzattiの"Solaris"リミックスでは、オリジナル・バージョンでの転回していくアルペジオを用い、そこへSF色のあるパッドとストリングスを摺り込ませた跳ねるベースラインを加え、トラックを強化している。Jeff Millsが宇宙観のあるトラックをやっているときと同じくらい強烈なリミックスだ。EfdeminとスタジオをシェアしているJohn Gürtlerは"Parallaxis"にて異なる方向性を見せており、平坦だが躍動感のあるオリジナルを、Moogのブリップ音とゆったりとした木管楽器を流し込んだキックレスのトラックに作り変えている。シンセサイザーと生楽器のエレガントに融合させたこのリミックスは、オリジナルの雰囲気に沿った本作にすっきりとした結末をもたらしている。
  • Tracklist
      A1 Some Kind Of Up & Down Yes (Asusu Remix) B1 Solaris (Staffan Linzatti Remix) B2 Parallaxis (The Borderline State Remix)
RA