Jitterbug - Workers EP

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  • Jitterbugが2009年にUzuriからデビューして以降、アメリカン・ルーツをしっかりと持ち、サンプルをメインにしたディープ・ハウスに事欠くことがなくなった。しかし、飽和状態にあるこのジャンルで活動を続ける中、注目を浴びることを嫌うこのプロデューサーは、一貫してクリシェを回避している。その理由の1つは、テクニックに起因している。馴染みのあるテクニックを密かに独自の方法で用いているJitterbugのトラックは、完全なまでに不完全なものだ。そして、そのテクニックのほとんどが上手く言葉に表せないものでもある。ほんの少ししかないグルーヴの違いを聞き分ける耳を持っているとしか言い表せない。 この点において「Workers EP」は、Jitterbugは磨きがかかってきていることを示している。その中心となっているのは、サンプルを基調としたハウス・トラック3曲だ。前作に比べ、それぞれ、よりシンプルで精巧な仕上がりになっている。2つのループの間に生まれたシンプルなトラックが"Sweet Tooth"だ。どちらのループも、それだけで素晴らしいトラックになることが出来ただろう。これだけビートがみずみずしければ、他に何もする必要はない。一方、若干ながらAndresのトラックに似た"Ache 4U"(訳: お前が欲しくてたまらない)は、そのタイトル通り官能的だ。"Koko"では、キック・ドラムを踏みつける歪んだサウンドによるざらついた活力と、クリーミーなギター・サウンドによる包み込むように柔らかな美しさとの間に、極上の空間を生み出している。この3曲のみであれば傑作EPとなっていたかもしれないが、一緒に収録された残りの3曲には物足りなさが残る。しかし同時に、これらのトラックは、Jitterbugが持つ幅の広さを指し示す役割を見事に果たしている。"Surge"でのクラップによるグルーヴは、もはやテクノっぽくさえあるし、"Jus Drums"は熟練したシカゴ・スタイル・ツールだが、つまらなさがあり、他の曲では感じられる歯切れのよさがここには欠けている。"Track 6"は若干ながら色彩豊かではあるが、前述のトラックでのジューシーなアレンジと比べると、もう一度聞こうという気にはならないかもしれない。
  • Tracklist
      A1 Sweet Tooth A2 Jus Drums A3 Surge B1 Ache 4U B2 Koko B3 Track 6